名古屋市の患者さんから次のご質問をメールでいただきました。
「インプラントを長もちさせる秘訣はありますか」
こちらの方、前歯にブリッジを入れているそうですが支えている自分の歯が悪くなり抜くことになったそうです。やや広範囲におよぶブリッジのため再びブリッジにすることができないと診断されて、入れ歯もしくはインプラントを選ぶことになりました。すでにインプラントにすることは決めてみえるようですが、インプラントがどれくらいの期間もつのかが気になり、ご質問を寄せていただきました。
免疫力が左右するインプラント治療
免疫力の「疫」という字は病気とか疾患という意味になります。「免」には、のがれるという意味があります。
なんらかの原因とは
インプラントを長もちさせるために我々歯科医師が行うことは、「なんらかの原因」を作らないよう、起こさないように最善の注意を払って治療を行います。また、それらが起きた時にはリカバリーを行います。
なんらかの原因についても解かっています。
①口腔内の細菌のコントロール
②噛み合わせのコントロール
この2点です。
①は歯周病の原因細菌が異常に増えないように口腔内を清潔に保つことです。
歯周病にならないようにするにはプラークコントロールが重要です。インプラントも同様で、歯石の除去や歯面清掃を定期的に行うことでインプラントが長もちします。かと言って毎日歯科医院で清掃するわけにはいかないので、ブラッシング指導や効果的な歯の清掃方法について理解していただきます。
また、被せ物も歯ブラシがあたりやすい、歯間ブラシが使いやすいなど、清掃性が良くなるように被せ物を作る歯科技工士、歯科衛生士と連携します。
被せ物の材料によってもプラークが付きやすい場合があります。それぞれの材料の特徴などについてもご説明して知っていただくことで清掃効果に違いがあります。
②は顎の動きや残った歯に調和した被せ物を装着することが必要です。
顎の動きに調和していないとインプラントの被せ物のみに強い力が加わります。噛み合わせの度に強い力が加わり続けるとインプラント周囲の骨が吸収してしまいます。
噛み合わせの力をインプラントのみではなく残った歯にも適切に加わるように歯科技工士に被せ物を作ってもらうことで噛み合わせの力をコントロールすることができます。
実際にどれくらい持つの?
インプラントは自分の歯と違って虫歯にならないから永久にもつと考えている方もみえるかもしれませんがそんなことはあり「え」ません。
ただし、90歳を超えてもインプラントが機能している方も多くいらっしゃいます。60歳位で歯が抜けてインプラントを埋入しているとして30年を超えて機能していると言えるでしょう。相関関係まではわかりませんがインプラントが機能しているから栄養摂取に問題がなく全身的に健康でいられるのではないでしょうか。インプラントを長もちさせるためにはメンテナンス、噛み合わせ、・・・と様々な要素をあげることができますが、長もちしている方の共通点は「健康的」と言えます。
インプラントの保証制度
インプラントは歯槽骨に生着(結合)し、被せ物を装着して噛み合わせの機能を回復させる治療です。
噛み合わせの機能が回復してからは口腔内を清潔に保ち、インプラントに負荷がかかり過ぎていないかなどをチェックすることで少しでも長く持たせられることができます。
ただし、どんなに注意していても病気やケガをするのと同じように、インプラントがうまく機能しなくなることもあります。このような時に保険会社によるインプラントの保証制度を利用して、再びインプラント治療を受けたり、別の方法で咀嚼機能回復を行うことができます。以前は医院側が設定した保証制度というものがありましたが外郭組織の保険制度であれば医院と患者さん間での話し合いの必要もありません。さらに安心してインプラントを使用していただける制度としてご紹介させていただきます。
インプラントの手術を受けてから最大10年間は保証が受けられる制度です。保証制度をうまく活用することでさらにインプラントのメリットを享受していただける時代になりました。
保証制度について詳しく知りたい方は受付スタッフまでお問合せ下さい。