インプラントに関する講演にはベーシックコース(基礎コース)、アドバンスコース(中級、上級)などがあります。
大口式のベーシックコースに参加される方の中には初心者もしくは未経験者の方もみえます。先日の講演で未経験者の方から最初に導入する設備についてご相談をいただきました。しかし、予算やスペースの確保、人材によって違いがあるので簡単にお答えできるものではありません。
そこで、私なりに必要と思われる設備について優先順位をつけてご紹介させていただきました。
必要な設備とは
【CT撮影装置】
CTは3次元的に骨の形を把握する非常に優れたレントゲン装置です。軟らかい、硬いなどの骨質もある程度わかります。ただし、骨が細い、低いなどのいわゆる難症例でなければCT以外の方法で計測して安全にインプラント手術を行うことも可能です。
患者さんに不便をお掛けすることになりますが、CTのみ撮影してくれる施設もあるのでそれらを利用することも可能です。
※この画像は大口式で10年以上前に行なったインプラント症例です。CTで撮影するとインプラントの周囲にしっかりとした骨が存在していることが確認できます。CTは手術のためだけではなく経過観察にも役立ちます。院内に設置してあれば自医院で撮影できるので患者さんにご負担をかけることはありません。
【インプラントモーター】
インプラント体の埋入や骨を削る時に使用します。インプラント治療を行う以上は絶対に必要な設備です。
大口式の場合には骨を削る目的で使用する事はほとんどありませんが、インプラント体を埋入する際には必ず使用します。
当院では2種類のインプラントモーターを使用しています。画像はKAVO社のイントラサージという製品です。
【生体モニター】
術中における血圧、心拍数、経皮的酸素飽和度を計測することできます。
※コーリンの製品です。
岐阜院、名古屋駅前院ともにコーリンの製品を使用しています。
インプラント未経験者も上級者の方も生体モニターは絶対に導入していただきたいと考えています。
「生体モニター? それよりもCTでしょう。」と言われる方もいるかもしれませんが、生体モニター無しで手術を行うことは考えらえません。
インプラントを希望される方は40歳以上、60歳前後の方が多いと思います。60歳も超えるとお元気そうであっても何かしらの慢性疾患を抱ええているものです。血圧が高くて降圧剤を服用をされている場合もあります。インプラント手術を受ける際には服用している薬剤について確認して時には主治医と連携することもあります。
そのような意味でも血圧、心拍数(脈拍)をモニタリングしながらインプラント手術を進めることが重要になります。モニタリングに必要な装置が生体モニターであり、医院に完備しておかなければならないのは生体モニターとお答えしています。
CTだけであれば別の施設、機関でも撮影できるので、インプラントモーターと生体モニターは絶対的に必要な設備と言えるでしょう。
まとめ
必要な設備は出来るでけ自前でそろえらるよう適切な設備投資と計画が大切です。
若い先生からの相談でしたが、一生懸命に歯科医療に取り組まれていることがひしひしと感じられることも講師冥利と言えるでしょう。
実習を行う講演会はこんな感じの雰囲気で行っています。ベテランから若手まで幅広いので講演内容も参加者に合わせてアレンジしています。
皆さん真剣です。私もついつい、熱く語ってしまいます。