インプラント治療を受ける方からの主な相談内容は費用と治療期間についてです。
費用については噛み合わせの状態や骨の状態によって施術内容が違います。治療計画をお示ししてその治療計画に基づいたお見積もりを提示します。自動車の車検費用と同じような感じです。悪いところ、治したいところが多ければ費用は積み上がります。治療期間についても同様です。したがって、人によって治療期間に違いがあります。
インプラントの種類によっての違い
インプラントには骨に埋め込まれる部分と歯ぐき上に露出する部分があります。それぞれが一体型の場合をワンピースインプラント、別々の場合を2ピースインプラントと呼びます。大きな違いとして手術の回数が違いますので簡単にご説明いたします。
《ワンピースタイプの場合》
まず初めにインプラントを骨に埋入する手術を行います。この時、すでに歯肉上にアバットメントは露出しています。その後、骨とインプラントが結合したら、被せ物を装着します。アバットメントは歯肉上に露出しているので2ピースタイプのようにアバットメントを装着するための2次手術が不要になります。
画像の右から3番目がワンピースタイプです。
《2ピースインプラントの場合》
ンプラントを骨に埋入する手術を行います。この時、インプラントは歯肉に覆われてワンピースタイプのように露出はさせません。その後、骨とインプラントが結合したらアバットメントを装着します。インプラントは歯ぐきに埋まっているのでインプラントを露出させるための2次手術を行います。2次手術の際の歯肉が治癒(約10日間)したらアバットメントを装着します。装着したアバットメントを型取りして被せ物を装着します。
ワンピースの場合は手術が1回であることから2ピースに比較して2次オペ~アバットメント装着までの10日間ほどは期間が短縮できることになります。また、2ピース構造よりもシンプルな分、インプラント体の製品価格も安価です。
タイプによる適応症
ワンピースインプラントの場合は骨の幅がしっかりあり、骨移植や骨造成を伴わない比較的簡単な症例に適用されます。ただし、ワンピースインプラントの場合には埋入手術直後から歯ぐきの上にアバットメントが露出します。そのため、舌で触らない、食べ物を噛まないなどの注意が必要です。喫煙者の場合にはアバットメントが汚れて歯ぐきに悪影響を与えるので被せ物が装着されるまでは禁煙していただくことになります。
2ピースインプラントの場合は、骨と結合するまでの間、歯ぐきに覆われています。したがって外部の影響を受けづらいのが特徴です。
インプラントが骨と結合する期間はインプラントメーカーによってある程度の指標はありますが、それよりも長くするようにしています。理由はそのほうが骨としっかり結合するからです。
アバットメントが装着されるまでの仮歯について
アバットメントに被せ物を装着するのですが、アバットメントが装着される前は“歯無し”では話になりません。そこで仮歯を装着するのですが、1本や2本の欠損の場合には自分の歯に専用の接着剤で仮歯を固定します。
奥歯の場合には接着材では強度が得られないので入れ歯タイプや、キャップタイプにして固定します。いずれにしても歯が無い状態にはなりませんのでご安心ください。
まとめ
インプラントの治療期間は骨が結合するまでの期間と選択する被せ物の製作期間になります。骨と結合するまでの期間がメーカーの指標を参考にしてレントゲンや口腔内の歯肉の状態などから判断します。被せ物の製作は歯科技工分野になりますが、セレックのように自医院にCADCAMを導入することによって期間が短縮できる場合もあります。治療費用や治療期間についてはお気軽にご相談ください。