大口式インプラントの講演を大阪で行いました。
今回は新大阪(新大阪丸ビル別館)での開催でしたが栃木県から参加の20代の方、福岡から参加のこれからインプラント治療を取入れる方にお集まりいただきました。
もったいない精神から生まれたインプラント治療
大口式インプラントのコンセプトを大まかに表現すると、
・骨を削らない
・不要なものを足さない
・リスクを冒さない
の3点になります。
骨を削らなければ足す必要もありません。
顎の骨には太い血管や神経が通っています。骨を削らなければそれらを傷つけるリスクもありません。
インプラント治療発祥の地であるスエーデン人をはじめ、欧米の方に比較すると日本人の骨は柔らかく華奢です。そのため、既存の手術方法では対処できない場合もあるなと考えていました。
・華奢な骨をドリルで削ってはさらに骨が細くなる
・それなら骨を削らない方法はないものか
・骨を削らいためにはどうすればいいのか
そんな自問自答を繰り返しながら思いついたのが大口式インプラント法です。
軟らかくて華奢な(細い)骨を削るのは”もったいない”という日本の文化とも言える考え方です。
まずは慣れること、手を動かすこと
大口式インプラントは歯科医師の技量によって対応できる範囲が違います。
今回の講演では骨幅1mmしかない部分に直径3.3mmのインプラントを植立する症例をご紹介しました。
手術の動画も交えて具体的に解説させていただきましたが、座学だけでは身につきません。
午後からは豚の肋骨を使って実習を行いました。
歯科医師は医学的な知識も必要ですが手先の器用さも重要です。もともと歯科医師希望の方は器用な方が多く実習好きです。
実習時間は盛り上がります。
今回はアドバンスコースでしたのでベーシックコースでは紹介していないテクニックについて講義と実習を通じて解説させていただきました。
質疑応答
午前、午後の座学、実習を通じて最後に総括、質疑応答を行います。
今回は若手歯科医師の方が多く熱気を帯びた研修会となりました。
研究成果
また、今回は大口式インプラントが既存の方式に比べて優位な部分についてインプラント科の教授がデータを提示して解説されました。
骨を削らないことから初期固定が非常に良くなります。
初期固定が良くなるとはインプラントの植立時(手術時)にしっかりと骨に固定されることです。
初期固定が良いと骨とインプラントがしっかりと結合します。その結果、長もちするということになります。
次回の研修会は東京で6月と9月です。来春はアメリカでの講演が予定されています。
アメリカでの講演では日本人の”もったいない精神”や物を大事にする文化についてもお話してみようと思います。
開催後にまたご紹介させていただきます。