昨日(2019年12月22日)、IDIA(国際口腔インプラント学会)の日本支部であるJIDIAさんが主催する認定医学術講演会にて大口式インプラント法について講演をいたしました。
※認定医取得のためにお集まりになった全国の歯科医師
私の講演は午前10時からのトップバッターでしたので東京には前日入りして講演に備えました。
会場は御茶ノ水の会議場で真正面には有名なニコライ聖堂が構えています。
この辺りは東京医科歯科大学、日本大学、順天堂大学と歯学、医学系の大学があり私にとっても懐かしい場所です。
講演でお伝えしたこと
こちらの学会は若手のインプラントジストが多いと事前に聞いていました。そこで、大口式のテクニックのほか、どうして骨を削らないインプラント手術法を考案したのか、どうして必要になったのかなど、コンセプトをはじめ哲学的なことも併せて解説させていただきました。
その一部をご紹介させていただきます。
前歯を1本失った30歳代の男性が来院されました。。
軽度の歯周病ではありましたが抜けた歯の両隣は虫歯ではなく自分の歯です。そのため、歯を削ってブリッジにすることに抵抗をもたれていました。そこでインプラントを希望されたそうですが、歯が抜けた部分の骨はかなり細くインプラントを行うのであれば骨移植が必要と診断されて悩まれていました。
そこでご縁があって当院を受診されたのですが、正直なところ当時の私にも難しいと感じていました。
しかし、何とかならないかと考えを巡らせた結果、細いピンホールから拡げる現在の大口式インプラント法を思いつきました。
そこに至った要因として江戸時代の循環社会を築き上げた礎となる”もったいない精神”から始まり、何とかしたいという職人魂のようなものがリンクして編み出されたことを、講演冒頭の数分でお話させていただきました。
若い先生方でしたが皆さん真剣に聞いてくださり、講演終了後には握手や記念撮影を求められ、充実した一日となりました。
そのほかの講師の方々
今回は4名の講師が担当しました。
自身の講演を終えた後は3名の方の講演で勉強させていただきました。
米本久史先生の講演では栄養学やフレイルにまで踏み込んだ歯科医師としての役割、保田好隆先生によるデータに基づいた幼少期の矯正の必要性とGP(一般歯科医師)こそ、子供の矯正について積極的に関与していただきたいという講演は就学前の孫のいる私には大変参考になりました。佐久間隆章先生は顎機能に調和した歯科治療、総合歯科治療に関する講演は大変勉強になりました。40代前半と思われる佐久間先生があれほどの知識と技術をお持ちであることは若い歯科医師には目標と励みになったのではないでしょうか。
インプラントについて講演された米本先生、佐久間先生ともに大口式を導入されていることを聞いて驚きましたが、出席者の実に1/3の方が導入されていることを聞いてさらに驚きました。
次回はアメリカでの講演となりますが、アメリカでは多数のテクニックをご紹介できるように鋭意、スライドを作成中です。
次回も皆さんに多い出来ることを楽しみにしています。